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青山エリア、銀座線外苑前駅近くの鍼灸指圧治療院です。

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〒107-0062 東京都港区南青山2-25-10 エスト南青山2階

機関誌より

按摩治療・臨床発表


●背腰部のツボを指圧したところ、その響きが中医学の募穴に一致していた。女性 34歳。NEW!

腹臥位で背腰部を指圧した。脾兪穴を指圧したとき「先生、そのツボは胃に感じるのですが胃のツボですか」と聞いたので、「これは膵臓に関係のあるツボで、胃のツボは一つ下のこのツボです」と説明して胃兪穴を指圧した。はっきりと胃に響いた(中脘穴)。それではと思いひとつ下の三焦兪穴を指圧して、どこに響きますかと聞くと「臍の下に響きます」(石門穴)。
さらに一つ下の腎兪穴を指圧して「とどこに響きますか」と聞くと「臍に響きます」(肓兪穴)。中医学の背腰部と腹部募穴の関係の通りであった。
兪穴の3分間持続圧を2回行った。男性 52歳。NEW!

年に3~4回、按摩にかかっている近所の患者さんである。
治療の終了10分くらい前になって「先生、右のももの後ろが歩いていて突っ張るのです」との訴え。
そこに診断按摩を行うと膀胱経の殷門穴であった。
この部位の症状は腎の弱りから起こることが多いので、右腎兪穴を強く指圧すると、すごく圧痛を感じますという。
そこで重ね母指で持続圧をした。最初、腹部の臍の部位にズーンと感じ、次に,湧泉穴に感じて、その湧泉から経絡を戻るように患部の殷門穴に感じた。
3分間行い、一旦、休んで、もう一度、持続圧すると、今度は下腹部が温かくなって、次に上腹部の胃が温かくなり急に眠くなった。
患者さんは当院から歩いて5分くらいのところに住んでいる方で、治療から帰えるといつもトイレに行くのだが、「いつもよりも尿がたくさん出ました」と電話で報告してくれた。
●背腰部のツボを指圧したところ、その響きが中医学の募穴に一致していた。女性 34歳。

腹臥位で背腰部を指圧した。脾兪穴を指圧したとき「先生、そのツボは胃に感じるのですが胃のツボですか」と聞いたので、「これは膵臓に関係のあるツボで、胃のツボは一つ下のこのツボです」と説明して胃兪穴を指圧した。はっきりと胃に響いた(中脘穴)。それではと思いひとつ下の三焦兪穴を指圧して、どこに響きますかと聞くと「臍の下に響きます」(石門穴)。さらに一つ下の腎兪穴を指圧して「とどこに響きますか」と聞くと「臍に響きます」(肓兪穴)。中医学の背腰部と腹部募穴の関係の通りであった。
 ●腎兪穴の3分間持続圧を2回行った。男性 52歳。

年に3~4回、按摩にかかっている近所の患者さんである。
治療の終了10分くらい前になって「先生、右のももの後ろが歩いていて突っ張るのです」との訴え。
そこに診断按摩を行うと膀胱経の殷門穴であった。
この部位の症状は腎の弱りから起こることが多いので、右腎兪穴を強く指圧すると、すごく圧痛を感じますという。
そこで重ね母指で持続圧をした。最初、腹部の臍の部位にズーンと感じ、次に,湧泉穴に感じて、その湧泉から経絡を戻るように患部の殷門穴に感じた。
3分間、行い、一旦、休んで、もう一度、持続圧すると、今度は下腹部が温かくなって、次に上腹部の胃が温かくなり急に眠くなった。
患者さんは当院から歩いて5分くらいのところに住んでいる方で、治療から帰えるといつもトイレに行くのだが、「いつもよりも尿がたくさん出ました」と電話で報告してくれた。
●左魂門穴の持続圧で鼻が通った。女性35歳

腹臥位で硬結・圧痛のあった左魂門穴(肝兪穴の外側にある)を持続圧したら、左の鼻が通った。さらに持続圧を続けたら右の鼻も通った。肝臓に関係したツボでも鼻が通ることが分かった。
●内関と膈兪の指圧でシャックリが止まった。女性 39歳

筆者は居酒屋で友人、数人と飲んでいた。
横にいた女性が、シャックリが止まらなくなった。
片方の手の心包経・内関穴と背部の左右の膈兪穴を、同時に1分間ほど持続圧したところ、止まった。
五行の説明でシャックリは脾の弱りであるが、シャックリは横隔膜の痙攣なので膈兪穴でも改善することができる。
●膻中穴と左神封穴の圧痛に対して左中指を引っ張りながら、もう一度、膻中穴と神封穴を指圧すると圧痛が半減していた。女性 35歳。

背臥位で胸部の膻中穴を指圧すると激痛があった。その左右の神封穴を指圧すると左側にも激痛があった。
そこで心包経の指である中指を引っ張りながら、もう一度、2穴を指圧すると圧痛が半減した。
薬指も膻中穴に関係があるので、引っ張ってツボを指圧すると圧痛が軽減したが、中指の方が軽減した。
●左脇腹と頭頂部の百会が痛む。女性 31歳。

左脇腹が痛むということで調べると第9肋骨と第10肋骨の部位で、胆経の淵腋・輒筋穴と日月穴の中間あたりである。
うつ伏せになってもらい、同じ高さにある肝兪・胆兪の硬結・圧痛を調べて持続圧すると魂門穴で患部に響いた。
また頭頂部の百会穴に痛みが起こるというので、このツボの左ずらし圧をしながら脇腹の痛みの部位と期門穴を圧迫すると症状が軽減した。
百会には肝経が流注していることと、脇腹の痛みは魂門穴で軽減することから、肝の弱りで起こっているものと判断した。
肝臓を弱らせる物としていろいろ聞くと、アルコールはたまにしか飲まず、生理痛軽減のためにピルを飲んでいるというので、原因はそのホルモン剤であると推測した。
左魂門穴に母指持続圧をして響かせ、揉捏をしてやわらげて、また持続圧を行った。3回、繰り返し行うと響かなくなった。
次に百会の左横ずらし圧を行うと、かすかに患部に響くというので、このツボにも1分間のずらし圧を2回、行った。
起きて脇腹の痛みの部位を押してもらうと、治療前に較べて半分以下に軽減していた。 
●脳空穴と目の周囲穴の按摩で目の痒みが軽減した。男性 37歳。

花粉症で、鼻はそうでもないが目が痒くて困るという。
腹臥位で後頭部を揉むと普通の強さなのに脳空穴に激痛があった。
最初に圧痛が強くあった右脳空穴に中指指圧と揉捏を行った。次に示指で右脳空穴を持続圧しながら、反対の左側の脳空穴に中指で指圧と揉捏を行った。
次に左脳空穴を示指で持続圧しながら右脳空穴に中指指圧と揉捏を行った。
左右のツボを同時に治療するので、改善の効果が大きい。
最後に背臥位で目の周囲の圧痛部位に按摩を行った。
上まぶたの穴:上睛明穴、上眼窩穴、瞳子髎穴        
・上睛明穴の持続圧
下まぶた穴:下睛明穴、承泣穴、外承泣穴
・承泣穴の持続圧と揉捏
15分ほど治療して症状を観察してもらうと、痒みは半分以下に軽減していた。
●風門穴と肺兪穴を重点的に按摩をしたら、くびにびっしょりと汗をかいた。男性 33歳。

咳が一ヶ月以上、続いているという。腹臥位で肩甲間部に診断按摩を行うと、左風門と肺兪穴に硬結があって、強めに指圧すると激痛を感じた。
このツボを重点的に15分くらい指圧・揉捏して仰向けになってもらうと、頚の前側にびっしょりと汗をかいていた
●百会穴の左ずらし圧で左下腿・胆経に響いた。女性 52歳。

背臥位で治療の最後に百会穴を持続圧したら「先生、それ真ん中よりも左側を押していますか」「いや、真ん中ですけど」「左側を押されている感じがします」「それでは押したまま左側にずらすとどうですか」「そうされると、歩いていてたまに痛くなる左下腿の外側部(胆経)に感じます」
身体の左側あるいは右側に症状があるとき、頭の正中線の百会穴を指圧して、何度か左右にずれて指圧されていると言われたことがある
唇の右口角炎が足の胃経のツボの指圧で軽減した。女性28歳

母親と温泉に行ったところ温泉に入って胃腸の調子が良くなり、すごく食べたという。帰ってきて次の日に、口の右の角が赤くなった。
患部は胃経の地倉穴なので背臥位で足の胃経を左右、揉んで調べると右側に圧痛が強くあった。
右の陥谷穴と足三里穴の2穴を同時に1分間ほど持続圧したところ、口角炎の部位にジーンと感じたあと温かくなった。腹臥位になって肩凝りと胃の弱りとして胃兪穴を中心に治療して、起きてもらうと右口の角の赤みが半分くらいに薄くなっていた。
●腸骨稜の痛みは腎の弱りが原因であった。女性 75歳。

数ヶ月ぶりで治療にかかった。
左の腰が痛くて歩くのがやっとだという。
調べると、腸骨稜の上の胆経・五枢穴あたりである。
肝臓の弱りと推測して、側臥位で背部の肝兪穴、その外側の魂門穴、胆兪穴、陽綱穴を揉むと陽綱穴に最も圧痛があった。
持続圧すると腰痛部位の五枢穴に響いた。
これが原因だと考えて揉捏と持続圧を繰り返しながら、いろいろ話しを聞くと、寝ているときに夫が冷房をきつくするので寒かったという。
今日、電車で来るときも、いやに寒く感じたという。
冷えが原因であれば腎の弱りかなと思い、腰部を指圧すると激痛を感じたようでウッと声を出して腰を前にかがめた。
圧をゆるめて持続圧すると、腰痛の五枢穴のところがかえって痛くなるという。
ツボは腎兪穴と、その下の気海兪穴であった。
腎兪穴や気海兪穴から横の五枢穴に響くというのはあまりない例であったが、圧痛が強く、肝のツボよりも響くというので、このツボが1番の腰痛原因穴であると判断して、我慢できる圧で揉捏しては持続圧を繰り返し行った。
下肢の胆経・陽陵泉から懸鐘にかけて、胃経・足三里から下巨虚にかけても十分に按摩を行った。
家に帰り、その夜、息子が居なかったので、息子の部屋で冷房をかけないで寝たら、汗をびっしょりとかいて、次の朝、腰痛はほとんど治っていたという。
●右示指の中手骨・基節骨関節の掌側面が硬くなって、マウスを使うときに痛むという。男性 34歳。

背臥位で、胸部の右腎経・神蔵穴を指圧すると圧痛があった。
示指を背屈位にしながら患部に按摩を行った。
腹臥位で肩甲間部の肺兪穴を調べると硬結・圧痛があった。外肺兪穴の方に圧痛が強くあったので、このツボを持続圧したところ、示指の患部に響いた。
最後に背臥位になって示指の硬くなった部分を指圧すると、表面がやわらかくなって圧痛が半減していた。
 ●左烏口突起部の痛み(五十肩)が、左外肺兪穴よりも左魂門穴で響いて改善した。女性 39歳。

左肩の前側、烏口突起部が、腕を背中に回したときに痛むという。
この部位の経絡は肺経なので肺兪穴と、起立筋の外側の外肺兪穴を指圧すると、外肺兪穴の方に圧痛があって、持続圧すると烏口突起部に響いた。
背部に診断按摩を行うと、肝兪穴の外側の魂門穴にも硬結・圧痛があって、持続圧したところ、このツボの方が烏口突起部に響いた。
最後に腕を後ろに回して、肩に痛みを出した状態で烏口突起部に按摩をした。
座って腕を後ろに回してもらうと70%程度、改善していた。
 ●腎兪穴を強く押すと、ウッと声を出す。男性 21歳。

大学の陸上部で砲丸投げの選手で、背腰部の筋肉は隆々である。
腰の腎兪穴の筋は特に凝っていないが、背部と同じ強さで指圧するとウッと声を出して唸る。
腎に弱りがあると判断して十分に指圧と揉捏を行った。
●上まぶたのピクピクした感覚が、公孫穴と太衝穴の持続圧で軽減した。女性 29歳。

左の上まぶたがピクピクするという。脾経か肝経の弱りと判断して足のツボを調べると左公孫穴と左太衝穴に圧痛があった。
右側の同じツボを指圧して調べると左側のツボに圧痛が強かった。このツボが治療穴であると判断して、2穴を同時に持続圧すると左上まぶたが温かく感じた。さらに続けるとピクピクした感覚が少なくなった。
●示指の切り傷に対して肺兪穴を母指持続圧したら、指先に響いてドクドクと血の流れるような響きが起きた。女性 56歳。

左示指に包帯を巻いているので、「どうしたのですか?」と聞くと「3日前に包丁で切ってしまい傷になりました」という。そこで腹臥位になってもらい、肩甲間部の左肺兪を調べたら硬結・圧痛があったので重ね母指持続圧したところ、「指先にドクドクと血が流れるような感じで、指先が太くなったような気がします」という。
3分間ほど持続圧を続けるとドクドクした感覚が薄れてきたので終了した。
1週間後にかかったとき、包帯を取っていて傷はふさがっていた。
前回と同様に肺兪穴に母指持続圧を行うと、今度はジーンとした感覚で響いた。
この治療を続けると傷の回復は早まると思われる。
●鼠径部の疼痛部位を指圧しながら股関節を屈曲すると疼痛が軽減した。 女性 58歳

右股関節を屈曲すると鼠径部に痛みが起こる。そこで側臥位になってもらい鼠径部の疼痛部位を指圧しながら、筆者の大腿部で下腿部を強く圧迫した。
30秒間の手技を3回行うと、指圧の手を離して股関節を屈曲しても痛みは半分くらいになっていた。
●脳空穴の圧痛を持続圧したらその後、会社に帰って眠くなって仕事にならなかった。男性 62歳。

「疲れて仕事にならない」と言って朝、開院と同時に按摩にかかってくれた、近くの会社の男性。
背腰部では肝兪と胃兪に硬結・圧痛があったが、後頭部の胆経・脳空穴に激痛があった。パソコンなどの作業による目の疲れが現れていると思われた。
「このツボは目に効きますよ」と説明して、痛みを我慢してもらって持続圧と揉捏を行った。
1週間経って、またかかってくれた。話を聞くと、「あの後、会社に帰ってものすごく眠くなって仕事にならなかった」という。
普段、疲れて仕事にならないといってかかってくれた人が、按摩の後も眠くて仕事にならなかったわけだが、効いていると思うので、しばらく週一でかかると言ってくれた。
●左母指の魚際穴の痛みが、右内脾兪穴の重ね母指圧で響いた。女性 58歳。

左母指の掌側部・肺経・魚際穴に痛みが起こるという。腹臥位で肩甲間部の肺兪穴を持続圧したら、このツボに響いた。

他、背腰部に診断按摩を行うと、右脾兪穴に硬結・圧痛があり、さらにこのツボの内側の華陀夾脊穴である内脾兪穴に縦状に細いスジの硬結があり、持続圧すると左魚際穴に響いた。脾の関係したツボなので飲食を聞くと、最近、甘い和菓子を食べているということであった。
●左意舎穴の持続圧で胃がヒクヒクと感じ、右胃倉穴では胃がズーンと感じた。女性 31歳。

食べると胃がもたれるということで腹臥位になってもらい、背腰部に診断按摩を行うと、左側では脾兪穴の外側の意舎穴、右側では胃兪穴の外側の胃倉穴に硬結・圧痛があった。
このツボを重ね母指で持続圧をすると、左意舎穴では胃がヒクヒクと感じ、右胃倉穴では胃にズーンとした感覚が起こった。
●土踏まずの真ん中に湿疹が出て薬を塗っているので触らないで下さい。男性 52歳。

いつも靴下を脱いで按摩にかかる男性患者さんが、右足に靴下を履いたままでうつ伏せになった。
「先生、今日は足の裏を触らないで下さい。水虫ができて薬を塗っています」という。「足の裏のどの辺ですか」と聞くと「土踏まずの真ん中です」
湧泉穴あたりなので、右腰の腎兪穴を母指の指先で強く押して横揉捏すると、スジ状の硬結があった。
このツボを重ね母指で持続圧すると、湿疹部位にジーンとした感じで響きが起こって、さらに続けると痒くなった。
我慢をしてもらって続けると痒みも起こらなくなった。
腎臓の弱りが予想されたので、飲食をいろいろ聞くと、昔からラーメンが好きで、最近、特に食べることが多くなったという。
塩分や油が腎を弱らせて湧泉穴に湿疹が出たものと推測された。
●鼻の上部・山根部分を打撲して起こった腫れ・痛みが、風府穴の持続圧で響いて改善した。女性 31歳。

机に坐っていて床に落ちた書類を取ろうとしたとき、椅子がずれて、机の角に鼻をぶっつけたという。
鼻の山根部分が少し腫れて青くなっている。
側臥位になってもらい、盆の窪の上側にある風府穴を母指圧すると激痛があった。母指の指先で圧を少しゆるめて持続圧すると、鼻の痛みのある部分に響いて、かえって痛みが強くなった。
これは効く反応なので、患者さんに我慢をしてもらって3分くらい持続圧を続けると響きの感覚が無くなった。
鼻の感じを観察してもらうと、治療の前は腫れぼったい感じだったのが、何も感じないほどに改善していた。
●歩廊穴と通里穴を持続圧したら、頚から頬と目の下に響いた。女性 29歳。

少し心臓に弱りのある患者さんである。心の治療として背臥位で圧痛のあった左胸部・腎経・歩廊穴と左心経・通里穴を持続圧したら耳の下(心経の天窓・天容穴あたり)から頬(顴髎穴あたり)、目の下(下睛明穴)に響きが起こった。 響きが感じられなくなるまで持続圧をしたところ、響いたところが温かくなった。
●左脾兪穴を持続圧したら、脇腹に当てている支え手の四指に腸の動きが感じられた。女性 51歳。

左上側臥位で、硬結・圧痛のあった左脾兪穴を母指持続圧したら、脇腹に当てている支え手の四指に腸が動くのが感じられた。
動きが起こらなくなるまで、約3分間、持続圧していた。 終わって、お腹か中が温かくなったと言った。
●まぶたの痒みが支溝穴の持続圧で軽減した。女性 29歳。

左上まぶたが痒いという。
まぶたは臓腑では脾が関係して、経絡では胆経、三焦経である。
これら臓と経絡に関係する手足のツボを調べると、左三焦経の支溝穴に激痛があった。このツボを持続圧すると、まぶたが熱く感じて痒みがスーッと軽減した。自分でも指圧するように説明した。
2週間後に来たときに聞くと、あのあと自分でも指圧したら2日で痒みが無くなったという。
●上風池穴の持続圧で胃が温かくなった。女性 48歳。

腹臥位で後頭部に診断按摩を行うと、両側の上風池穴に小さな硬結があって指圧すると激痛があった。
快圧を感じる程度の圧で持続圧すると、胃がムカムカするという。
これは胃の弱りが治ろうとする反応なので我慢をしてもらって持続圧を続けると、ムカムカの感じがなくなって胃がゴロゴロとなった。音が鳴らなくなるまで続けたら胃が温かくなった。
●生理痛が照海穴と列欠穴を持続圧で軽減した。女性 31歳。

生理中で下腹部に軽く痛みがあるという。
背臥位になってもらい下腹部の痛みの部位(任脈の関元穴あたり)に手を当ててもらい不快感を確認してもらった。
筆者の経験上、生理痛は陰蹻脈と任脈の奇経治療で軽減することが多いので、その主治穴を調べると、左照海穴と右列穴に圧痛があった。
この2つのツボを持続圧しながら下腹部の痛みの部位を圧迫してもらうと、不快感が軽減した。
さらに持続圧を続けると腹がゴロゴロと鳴ったので、鳴らなくなるまで行った。
もう一度、下腹部を圧迫してもらうと痛みは半分以下になっていた。

●額の真ん中、神庭穴の下方が痛む。女性 33歳

肩凝りの訴えであったが、たまに頭痛がするというので、「頭痛はどのあたりですか」と聞くと「このへんです」といって額の真ん中の神庭穴の下方を指、指した。

このことだけを聞いたときは「変ったところに頭痛が起こる患者さんだな」と思ったが、さらに「こめかみの方から痛くなるのです」との説明で、胃経なので脾の弱り、すなわち膵臓の弱りが予想された。

「甘い物をたくさん食べた時に痛くなりませんか」と聞くと「そういえばそんな気がします」とのことで、
背臥位で胃経と脾経の圧痛が強くあった足三里穴と地機穴の4穴を同時に持続圧すると、肩凝りの部位がジーンとしたあと、その間隔が上がってこめかみもジーンとした。
神庭穴の下方までは響かなかったが、肩凝りと頭痛は脾・胃の弱りから起こっていると予想された。
腹臥位になってもらい、背腰部に診断按摩を行うと肝兪穴、胆兪、脾兪、胃兪と消化器系のツボが全部、凝っていた。
特に脾兪穴と胃兪穴に硬結が強かったので、その外側の意舎穴と胃倉穴を調べると、このツボの方に圧痛があった。
右の意舎穴の持続圧で左の肩凝りの部位に響いた。
● 背臥位で手足や胸部の2穴を同時に持続圧すると、顔の感覚器官の症状を改善することができる。

①目の症状
足の肝経・太衝穴と手の大腸経・合谷穴を同時に持続圧すると、目がはっきりする。
②まぶたの痒み
足の胆経・足臨泣穴と手の三焦経・支溝穴を同時に持続圧すると、まぶたの痒みを軽減することができる。
③鼻詰まり
足の胃経・陥谷穴と手の大腸経・合谷穴を同時に持続圧すると鼻が通る。
④鼻の空気の通り
手の肺経・尺沢穴と手の大腸経・曲池穴、あるいは魚際穴と合谷穴を同時に持続圧すると鼻の空気の通りがよくなる。
⑤顎の症状
顎が痛くて口を大きく開けられないとき、足の胃経・足三里穴と足の脾経・地機穴を同時に持続圧すると開けることができる。
  ● 百会穴を目の方向にずらし圧したら目に響いて明るくなった。女性 40歳。
目が疲れるということで背臥位になってもらい、百会穴に垂直に重ね母指持続圧をしたら鼻に響いた。次に百会穴を指圧したまま左目の方向に向けて「ずらし圧」をしたら左目の瞼に響いた。さらに圧を百会穴にもどして右目の方向にずらし圧をしたら右目に響いた。 終わってベッドに坐ってもらうと「目が明るい」といった。
  ●足部の金門穴と然谷穴の同時指圧で唾液が出た。女性 42歳。
患者さん腹臥位で治療師の膝に足首を乗せて手の第2指を曲げ、近位指節関節の内側部で足部の腎経・然谷穴と膀胱経・金門穴を同時に左右から圧迫した。
少したって患者さんはのどの扁桃のあたりを指さして、この辺から唾液が出てくるといった。
中医学で「腎は液にあっては唾なり」と説明しているので、足の然谷穴の指圧で舌下腺に響いて、唾液が出たものと思われる。
  ●腰部の捻転で発生した腰の痛みが、下腿・胃経・下巨虚穴の指圧で改善した。男性 53歳。

右の関元兪穴の腰痛を治療して最後に背臥位になってもらい、両膝を立てて左側に倒して腰部を捻転すると関元兪穴に少し痛みが出た。
このツボは下腿・胃経の下巨虚穴に関係が深いので、膝を倒したまま下巨虚穴を母指圧すると圧痛があり、持続圧したところ右関元兪穴に響いた。
関元兪穴の響きが起こらなくなるまで1分間ほど持続圧をした。
その後、もう一度、両膝を左側に倒したところ、全く腰に痛みは起こらなくなった。
  ●背中がひどく「くすぐったい」のは脾と肝の弱りであった。男性 31歳。

主訴は左鼠径部・大腿動脈部の痛みであった。
筆者の経験上、この部位の痛みは脾の弱りが原因である。
「私、ひどい、くすぐったがり屋なんです」という。
揉んでくすぐったい患者さんには、揉捏をしないで指圧だけにしている。
背臥位で左脾経を調べると地機穴に激痛があった。
腹部の素肌を素早く圧迫すると、中脘穴とその左側の腹哀穴にかけて冷えていた。 左上側臥位になってもらい左背腰部に指圧で診断按摩を行なうと、胃兪穴から脾兪穴、胆兪穴、肝兪穴の僧帽筋が棒状になって凝っている。
これらのツボに母指持続圧を行なった。
次に腹臥位になってもらい、背中全体でどこが1番、くすぐったいですかと聞きながら、肩甲間部、肝兪穴の部位、脾兪穴の部位、腰部と手の平で触ると、肝兪穴と脾兪穴の部位が最もくすぐったい感じが強かった。 つまり、くすぐったいのは内臓の弱りに関係する部位であった。
脾は甘い物で弱るので飲食を聞くと、アイスクリームが大好きで毎日、食べるという。
最も圧痛のあるツボをよく調べると左膀胱経2行線で、特に胃倉穴、意舎穴、魂門穴であった。このツボの母指持続圧を行なうと特に意舎穴で鼠径部の痛む部位に響いた。
1分間の持続圧を4回、繰り返して行なうと患部に響かなくなった。
立って歩いてもらうと鼠径部の痛みは半分程度軽減していた。
甘いものを少なくすることと、下腿・地機穴を自分で指圧することを勧めた。
  ●いろいろな症状は心臓の弱りで、左外心兪穴の硬結・圧痛を治療して軽減した。男性 61歳。

2カ月振りで按摩にかかった。パッと顔をみて太った感じである。
「最近、なんだか疲れやすくなった」という。
腹臥位で、いつものように背腰部を指圧すると凝りの上にファーと脂肪がついた感じである。
いろいろ話を聞くと「舌が痺れた感じがする、他人が吸うタバコの臭いに敏感になった、セロリを食べて排尿をしたらセロリの臭いを強く感じた、ため息をつくことが多い、疲れると左腰が重くなる、なぜかアイスクリームが食べたくなって食べる」ということで、腎の弱りもあるが心の弱りに関係した症状が多かった。 そこで腹臥位になってもらい、心兪穴を左右、指圧すると特に左外心兪穴に硬結・圧痛が強かった。
このツボを重ね母指で持続圧しながら舌を歯茎の裏側に圧迫してもらうと、痺れた感じが軽減した。
背臥位になってもらい、胸部で心に関係したツボ診断按摩を行うと腎経・左歩廊穴に圧痛があり、前腕部では心経・通里穴に圧痛があった。
この2穴を母指持続圧しながら舌を歯茎の裏側に押し当ててもらうと痺れた感覚がさらに軽減した。
心の弱りは腎から起こることが多いので、排尿について聞くと「そう言えばトイレに行く回数が少なかった」という。
3日経って、2回目の治療をしたとき聞くと、「あの晩、ぐっすり眠れて、次の日、舌の痺れと臭いが気になる感じが半分以上、なくなった」とのことだった。
  ●腰部の捻転で発生した腰の痛みを下腿・胃経・下巨虚穴の指圧で改善した。 男性 53歳。
右の関元兪穴の腰痛を治療して最後に背臥位になってもらい、両膝を立てて左側に倒して腰部を捻転すると関元兪穴に少し痛みが出た。
このツボは下腿・胃経の下巨虚穴に関係が深いので、膝を倒したまま下巨虚穴を母指圧すると圧痛があって、持続圧したところ右関元兪穴に響いた。
関元兪穴の響きが起こらなくなるまで1分間ほど持続圧をした。
その後、もう一度、両膝を左側に倒したところ、全く腰に痛みは起こらなくなった。
  ●臀部の腸骨稜の痛みが胃倉穴で改善した。女性 43歳。
長く歩いていると右腸骨稜から、その下の臀部にかけて痛みが出るという。
この部位の症状は、その上部の腰部や背部のツボが原因になっていることが多いので、右上の側臥位で診断按摩を行った。
志室穴に硬結があって持続圧すると患部に少し響いた。
しかしその上の胃倉穴にもっと硬い硬結があって、このツボを持続圧するとはっきりと患部に響いた。
胃のツボなので「胃は弱っていませんか」と聞くと「特に弱った感じはしませんが、最近、食べる機会が多いです」との話であった。
●舌が火傷をしたようなザラついた感覚が心関係のツボの治療で軽減した。 男性 53歳。
咽喉部のガンの治療で放射線治療を受けたところ、舌が火傷をしたような感覚になって辛い物を食べても味を感じなくなった。
舌の症状なので心の弱りと判断して、背臥位で胸部に診断按摩を行うと左歩廊穴に圧痛があった。
上肢では左通里穴に圧痛があり、この2穴を持続圧しながら舌を上顎にくっつけてもらうと舌のザラついた感覚が少し減った。
腹臥位になってもらい肩甲間部を揉むと心兪穴に硬結・圧痛があった。
このツボの指圧でも舌の感覚が改善した。
治療が終って舌の感じは半分くらい改善した状態であった。
辛い物を食べて味の感覚が改善したかどうか、次回の治療が楽しみである。
●右示指・中指の痺れはダッコ紐が原因であった。女性 35歳。
出産して4カ月たって赤ちゃんは7㎏である。
最近、両手の示指と中指に痺れを感じるようになった。特に右側が強い。
いろいろ原因を聞くと、赤ちゃんをダッコ紐で肩で支えるようになってからであるという。
ダッコ紐を肩で支えることが肩甲挙筋や僧帽筋を収縮させて頚部を引き下げ、頸髄から出ている腕神経を圧迫して症状が起こっていると考えられる。
頚部、肩上部、肩甲間部、背腰部に診断按摩を行うと治療穴は次のツボであった。
① 側頚部の第2頚椎横突起の下の硬結。
② 肩上部の肩井穴
③ 肩甲間部の外肺兪穴、魄戸穴。
これらの4穴は指圧して、いずれも示指と中指に響いた。
最後に前腕部の大腸経と三焦経に按摩を行った。
この治療を2週間で3回、行って80%改善したが、赤ちゃんは日に日に体重が増えていくので再発防止として継続治療を勧めた。
●下髎穴の継続的な指圧・揉捏で排便の便が太くなった。男性 45歳。

4カ月前から月に2回ペースで按摩にかかるようになった男性。
主訴は頚の痛みであったが仙骨部の下髎穴に圧痛があったので、治療の度に指圧と揉捏をしたところ「最近、便が太くなった」と言った。

●左鼻の外迎香穴の湿疹が上天柱穴と合谷穴で軽減した。女性 29歳

左鼻の外側部で大腸経・迎香穴の5分ほど外側に湿疹ができていた。
「どうしたのですか」と聞くと「辛いお菓子をたくさん食べたらなりました」という。
左右の合谷穴を指圧すると左側に圧痛が強くあったが、両側を同時に2分間ほど持続圧すると湿疹部に温かさを感じた。
腹臥位になってもらい後頭部と後頸部に診断按摩を行うと左の上天柱穴に圧痛があった。このツボの持続圧でも湿疹部に温かさを感じた。
次の日の朝、赤みと湿疹の広さが半分くらいに改善していた。
 ●右肺兪穴の持続圧の治療で痰がゲボッと出る。女性 62歳。

患者さんは非結核性抗酸菌症という診断名がついていて痰と咳が主症状である。普段、何回も咳き込んでから最後に痰が出る。
按摩で肺兪穴を中心に持続圧を繰り返すとゲボッと2~3回、咳をして痰が出て楽になる。
  ●右湧泉穴の母指持続圧で右腰の関元穴あたりに響いた。男性 55歳。

軽い腰痛ということで最初、側臥位で治療して最後に腹臥位で下肢後側部を揉んだ。
足底部の湧泉穴を母指持続圧したら、腰痛の部位の関元兪穴・大腸兪穴に響いた。
●第2・3頚椎椎間関節部の硬結(下天柱穴)の指圧で、どの痛みが軽減した。女性 49歳。

のどが痛いというので腹臥位で後頸部を調べると、第2/3頚椎椎間関節部の硬結(下天柱穴)に硬結・圧痛があった。
このツボを持続圧すると、のどの痛みの部分にジーンと響いて、糸が1本、張ったような感じがしていたのが、プツンと切れた感じで、その後、痛みが軽くなった。
●腎経・太谿穴の圧痛に持続圧と揉捏を繰り返して行ったら全身が熱くなった。女性 61歳。

背臥位で圧痛のあった足関節内側部・腎経・太谿穴に中指持続圧と揉捏を繰り返した。
かなり圧痛を感じてきている様子であったが我慢してもらって3分間ほど行うと全身が熱くなった。
●第2・3頚椎棘突起間の際のツボがのどに響いた。男性 58歳。

腹臥位で背腰部に按摩を行っていたとき、「実は甲状腺の薬を飲んでいる」というので頚椎2/3棘突起間の際を左右、指圧すると右側に圧痛があった。
このツボを母指持続圧すると、のどに響いて広がる感じが起こった。
頚椎2/3棘突起間の際のツボは甲状腺の症状を改善できる可能性がある。持続圧の圧痛を感じなくなるまで行った。
●鼻の横の迎香穴の吹き出物が、上天柱穴の指圧で響いた。女性 28歳。

右の鼻の迎香穴に小さな吹き出物が出ていた。
右上側臥位で、最初に外風府穴を持続圧したら、はっきりとは響かなかった。次にその外側の上天柱穴を持続圧したら、今度ははっきりと吹き出物の部分に響いた。ジーンとした感覚が感じられなくなるまで持続圧を行った。
吹き出物の改善が早まるものと思われる。
●のどの痛みに第2/3頚椎棘突起間の右側(内下天柱穴)を圧迫したら軽減した。女性 23歳。

のどが痛いというので背臥位で後頸部を調べると、第2/3頚椎棘突起間の右側の窪みに圧痛があった。
この部位を持続圧すると、のどの痛みの部分にジーンと響いて、その後、痛みが軽くなった。
●脳空穴の持続圧で目が明るくなった。女性 34歳。

うつ伏せの姿勢で患者さんは額に枕をあてて目をつむっていた。

後頭部の胆経・脳空穴に圧痛があったので左右のツボを同時に中指で持続圧すると、目の奥にズーンと響いたあと、つむっている目の奥が明るくなった。

●足底部の痛みは痔が原因であった。男性 54歳。

5年前に痔を手術する前に左足底部から足の中指にかけて痛みが出ていた。手術の後、痛みが無かったのだが最近、また、痛くなってきた。痔も寒い日は痛みが起こる。
痔は左側の内痔核を治療したという。
腹臥位で足底部の痛みの部位を調べると、踵の硬い部分の前方の軟らかい部分であった。
この部分を左右同時に指圧すると右側は圧痛が少なく、左側に圧痛が強くあった。
1分間ほど指圧すると痔に響いて感じが強くなるという。
仙骨部に診断按摩を行うと、左下髎穴と会陽穴に圧痛があった。このツボに母指持続圧を行うと痔の部位が少し温かくなった。
百会穴で最も圧痛のある部位を指圧して、背部の方向にずらし圧を行うと、最初に左足底部にジーンと響いたあと痔の部位にも響きが起こった。
患者さんはアルコールを飲む人で、これを少なくして、冷たい足を冷やさないようにし、筆者の調べたツボと肝兪穴を加えて治療を続けると症状は軽減すると思われる。
●膝の痛みの原因はスマホであった。女性 52歳。

10年以上、按摩治療にかかっている患者さんである。急に膝の内側部が痛くなった。膝のどこですかと聞くと、左の肝経・膝関穴であった。さらにここも痛くなったのですと言って、行間穴を指で押さえた。痛みの出た部位はいずれも肝経なので「また、お酒を飲んだでしょう」と聞くと「飲んでませんよ」と強い口調で言った。「でも、肝臓の弱りですから、何か、睡眠不足とか目の疲れとかは無かったですか」と聞くと、「それ、あります。最近、携帯からスマホに変えたのですけど、首を前かがみにして見て、画面がシャーシャーと流れていくのに目がついて行けない感じで、すごく疲れます。寝ていても目がチカチカします」という。
【治療】
・背臥位で足背部の左の肝経・行間穴に母指の指先を立てて持続圧を行った。膝の膝関穴にジーンと響いた。
・背臥位で背腰部に診断按摩を行うと、左魂門穴と右肝兪穴に硬結・圧痛があった。左膝を曲げて膝に痛みを出した状態で左魂門穴に母指持続圧をすると膝の痛みが軽減した。このツボに3分間、母指持続圧を行った。
・後頸部と後頭部に診断按摩を行うと風池穴と上風池穴、脳空穴に硬結・圧痛があったが、上風池穴とその左右の上天柱穴、上完骨穴に激痛があった。この部位に四指揉捏と四指圧を十分に行った。四指圧を行うと目の奥に響いた。
背臥位になってもらい目の周囲のツボに診断按摩を行うと、上睛明穴と上眼窩穴に圧痛があった。上眼窩穴に示指圧を行うと、目の奥に響いた。
百会穴にも垂直圧で持続圧したあと左右の目の方向に向けて、ずらし圧をすると右斜め前ずらし圧で右の目に響いた。治療が終って坐ってもらうと目がすごく明るいという。ベッドから降りて膝の屈伸をしてもらうと痛みは半分以下になっていた。
●腎の弱りがある腰痛は簡単には治らない。男性 50歳。

以前、筆者の按摩にかかって腰痛が数回で改善した患者さんの紹介で来院した。本人の主訴は腰痛であったが、よく揉むと右仙骨部の下髎穴に圧痛があった。便通に関係するツボなので排便について聞くと、毎日、排便はあるがすっきりと出ないという。
背腰部と下肢に診断按摩を行うと右腎兪穴、腓腹筋内側部の築賓穴に硬結・圧痛があったので、揉んだ結果では腎の弱りが予想された。
「腎は二便を主る」という中医学の説明もあり、腎の弱りがあって便通がすっきりせず、仙骨部の痛みになって現われていたものと考えられた。また好きな飲食を聞くと、“かっぱえびせん”をたべながらビールを飲むという。
反対に、腎には黒豆や小豆がよいですと言うと、それは嫌いだと言う。
治療が終って立って腰を動かしてもらうと治療前に較べて、半分程度は改善していたが、食事のアドバイスが気に入らなかったのか本人は不満顔であった。
●百会穴のずらし圧で歯に響いた。女性 47歳。

今、右の奥歯を歯医者で治療しているという。
百会穴の圧痛を捕らえて持続圧したあと、そのまま圧を右にずらすとさらに圧痛が強くなった。
少し圧を緩めてずらし圧を続けると右の治療中の歯に響いた。
1分30秒間くらい続けると圧痛がスーッと感じなくなって、歯を強く噛みしめてもらうと痛みは半減していた。
●下天柱穴(第2頸椎棘突起部)の指圧で耳の中に響いた。女性 42歳。

右上の側臥位で肩を揉んでいると「最近、耳垢が多い」というので、耳の周囲を調べると乳様突起部の三焦経・天牅穴に圧痛があった。しかし、よく揉むと第2頸椎棘突起部(下天柱穴)の右側に大きな硬結があって、このツボを母指持続圧すると耳の中が圧迫されるような感じが起こった後、痒くなった。1分間くらい持続圧すると痒みがなくなった。
この下天柱穴の指圧を続けて硬結が軟らかくなると、耳垢が少なくなると思われる。
●肝兪の指圧で腹鳴が起る。男性 41歳。

腹臥位で右肝兪穴を指圧すると、20秒後くらいに胃が動いて腹鳴が起こる。ちょっと休んで、また指圧すると20秒後に腹鳴が起こる。指圧してすぐには鳴らないで、もう止めようかなと思ったころに起こる。
●百会の後ろずらし圧で痔に響いて温かくなった。男性 57歳。

痔は5年前に手術をしているが、アルコールを飲みすぎると痛む。
背臥位で百会を指圧すると圧痛があった。そのまま後ろにずらすとさらに痛みが強く起こったので、ずらしたまま持続圧すると痔のある肛門に響いた。2分間ほど続けると肛門に温かい感じが起こった。
●しゃがんで痛みの出た膝外側部・陽関の痛みに対して、足背の肝経・太衝と帯脈の主治穴・足臨泣を指圧したら改善した。男性 68歳。

腰痛の治療が終って最後にベッドから降りて、しゃがむ動作をしてもらうと膝の外側部・胆経・膝の陽関に痛みが出た。
足背部の圧痛を調べると肝経・太衝と胆経・足臨泣に強い圧痛があったので、この2つのツボを指圧しながらしゃがんでもらうと、痛みが軽減してしゃがんでいられるという。そのまま持続圧を行うと、2分間くらいで指圧しているツボの痛みと膝の痛みが、ほとんど感じなくなった。立ってもらい、もう一度、しゃがんでもらうと痛みはなくなっていた。
 ●トイレの掃除ができるようになった。男性 79歳。

自宅で患者さんの仕事のひとつは、トイレの掃除であるという。トイレの奥の方の掃除は狭いところで体を折り曲げてしゃがむので、腰が痛くなった。痛くなってからは一カ月ほどである。
腰痛の強い右側を上にして股関節を深く屈曲し、しゃがんだ姿勢を作って腰部と臀部に按摩を行う治療を3回、行ったら腰痛が改善してトイレの掃除ができるようになった。
●右内下巨虚の指圧で尾骨・仙骨下部に響いた。女性 54歳。

治療の最初に背臥位で、患者さんの話しを聞きながら右側の下腿・胃経を揉むと足三里よりも下巨虚に硬結・圧痛があった。のツボの前脛骨筋を挟んで脛骨側を調べると、さらに強く硬結・圧痛があった。
重ね母指で持続圧すると第1趾・2趾の足先の方にジーンと感じた後、突然、尾骨・仙骨部下部に強く響きが起こった。痛みのあまりお尻をベッドにあてていることができず、腰を斜めに浮かしてこらえていた。
2分間くらい持続圧のあと響きが軽減した。聞くと最近、排便のとき便が極端に細くなっているとのことであった。
●百会の指圧で前方ずらしをすると恥骨の上に響いて、後方ずらしをすると仙骨部に響いた。女性 35歳。

結婚して4年になるが妊娠しない。FSH(卵胞刺激ホルモン)が多く、薬を飲んで改善しようかと考えているところである。
百会に圧痛が強く出ていた。先ず、このツボをまっすぐに指圧したところ目から鼻に響いた。次に、百会を指圧したまま前頂(百会の1寸前方)の方にずらすと恥骨の上あたりに響いた。もどして百会から後頂(百会の1寸後方)の方へずらすと仙骨部に響きを感じた。
この持続圧を続けるとホルモン数値の改善が望めるかも知れないということで治療を続けている。
●背中を何かにぶつけたと思うのですが、痛いのです  女性  46歳 

背中が痛いということで腹臥位になってもらい、最も痛みのあるところを調べると、ちょうどブラジャーの当たるところの右肝兪であった。「この痛むツボは肝兪といって肝臓に関係の深いツボですけど」と説明して、いろいろ話しを聞くと、「最近、仕事関係で飲み会が多いです」とのこと。右肝兪に母指持続圧を十分に行った。
最後に背臥位になってもらい下肢の肝経を調べると足背部の太衝に圧痛があったので、このツボも十分に母指持続圧を行った。
さらに頭頂部・百会の母指持続圧も行った。
ベッドに坐ってもらい背中を動かしてもらうと、痛みは感じなくなっていた。

●小腸経の肩関節痛が左小腸兪の持続圧で軽減した  男性 54歳

腹臥位で背腰部に指圧をしていると、「実は左腕を後ろに上げると肩が痛いのです」というので、ベッドの下に下げていた腕を上げて体側に置いてもらうと痛みが起こった。痛むツボは小腸経の肩貞・臑兪であった。
左仙腸関節部にある小腸兪を指圧すると圧痛があったので、母指の指先で持続圧をしたところ肩貞・臑兪の痛みが軽減した。
さらに腕を背中に回してもらい痛みを増強した状態で小腸兪を持続圧すると、この痛みも軽減した。
上肢で小腸経の硬結・圧痛を調べると、上養老(養老穴の2寸肘寄り)にも圧痛があったので母指持続圧した。
治療が終って立って左腕を後ろに回してもらうと、後方伸展約45度まで挙上できて肩の痛みは起こらなくなっていた。

●先生に揉まれても揉み返しがありません  女性 48歳
(気の滞りの部位を揉むと痛くても気が巡るので最も症状が改善される)

「私、強く揉まれると揉み返しになるのですが、先生に強く揉まれても後で痛くないのが不思議です」という。
筆者は、患者さんを揉むとき筋の硬結の部位ではなく、圧痛のある部位を重点的に指圧・揉捏している。それは経験上、響くという反応(経絡を通じて他の部位に響くとか腹鳴が起こるなどの反応)が、硬結よりも圧痛を指圧した方が強くて、結果、症状が最も改善するからである。
患者さんの感覚としては硬結を揉まれた方が気持ちよさを感じ、圧痛を揉まれると痛みを強く感じる。
また治療師も筋の最も盛り上がりの部位の方が硬結がわかりやすいし、揉みやすい。
しかし、経絡やツボの位置は、山下詢著「臨床経絡経穴図解」を読むと、筋の盛り上がりの部位ではなく筋腹の際にあると説明している。
・例.90頁。 胃倉穴の取穴の説明:最長筋の「外縁」にして第12肋骨の下際に取穴する。
この部位を正確にとらえるには、母指の最も面積の大きい指腹の部分ではなく、指先の部分を使って指圧・揉捏すると硬結・圧痛をさぐることができる。
圧痛は気の滞りであって、痛くてもその滞りを解消することが経絡の気の流れをよくして、ひいては血液循環をよくし、結果、さまざまな症状が改善されるのである。
従って筆者の治療の後は、揉み返し的な痛みはほとんどないが、ぐったりするとかひどく眠くなるなどの改善するために必要な反応が起こって症状が改善されていく。
●腓腹筋内側部がツル  男性  74歳

 ゴルフに行ったその夜、ときどき右足がツルという。
「右足のどこですか」と聞くと「ここだ」と言って右腓腹筋内側部を手で触った。それは腎経の築賓穴の10㎝くらい上方(上築賓穴と仮称する)であった。
腹臥位になってもらい、筆者は患者の両足の間に坐って腓腹筋の硬結部位に手根圧迫と手根揉捏を行った。
次に筆者の右膝で患者の足関節を背屈位に保って、腓腹筋を伸展させて痛みを出した状態で按摩を行った。
最初、かなり痛そうであったが、5分間ほど揉むと痛みが軽減した。
さらに患者さんに、右足関節を底屈と背屈に力を入れてもらって「どちらで痛みを強く感じますか」と聞くと「底屈したときだ」というので、底屈に力を入れて痛みを出した状態で硬結に手根圧迫と揉捏を行った。
週1回、治療にかかる毎にこの腓腹筋の按摩を続けて、最近、足がつらなくなった。
なお薬局で足のツルのを改善する薬は何ですかと聞いたところ「マグネシウム剤」ということで、これは海草に多く含まれている。
●膵臓の弱い人は膝がガクッと曲がる 女性 68歳

患者さんは以前から大腿部の前側に力が入らない感じがしていた。歩いているときや台所に立っていて、左膝が急にガクッと前に折れて転びそうになるという。
左上の側臥位になってもらい、大腿前面部の経絡は脾経・胃経なので、脾・胃の弱りを予想して左背腰部を揉むと脾兪・胃兪、意舎・胃倉穴に硬結・圧痛があり、さらに注意深く揉むと意舎穴に最も圧痛が強くあった。このツボに母指持続圧を行うと大腿前面部にジーンと響きが起った。さらに持続圧をするとジーンとした感覚がなくなって、今度は温かく感じた。
この治療を4回行ったところ大腿前側部に力が入る感じがするようになって、膝がガクッと曲がらなくなった。

●下髎穴を指圧したら排便した 男性  44歳

昨夜、寝ていて明け方、腰が痛くなって目が覚めたという。
うつ伏になってもらい腰部を揉むと、「もっと下の方です」というので仙骨部のツボを細かく指圧・揉捏すると、右の下髎穴に身をよじるほどの圧痛があった。
転んでお尻を打った覚えはないというので、「排便はどうですか」と聞くと、「最近、朝、スムーズに出ないです」という。
右下髎穴に母指持続圧を行うと下腹部に響いて、「先生、トイレに行きたい」といって排便した。

右志室穴の母指持続圧で、胃がポコポコと動いたあと右示指に響いた 女性 49歳 

主訴は右肩凝りであったが、マウスの使い過ぎで右示指が強張って曲げ伸ばししにくいという。
右上側臥位で肩甲間部と肩上部に診断按摩を行うと魄戸穴で右示指に響いた。
次に腹臥位になってもらい背腰部に診断按摩を行うと、右胃倉穴と肓門穴に硬結・圧痛があったが、その足方にある右志室穴にさらに大きな硬結があった。
このツボを母指持続圧すると最初に胃がポコポコという感じで動いて、さらに持続圧していると、曲げ伸ばしがしにくい右示指にジーンとした感じで響いた。
最後に背臥位になってもらい、右示指を背屈した状態で掌側・背側と内側・外側に按摩を行い、次に示指を掌屈した状態で掌側・背側と内側・外側に按摩を行った。
右示指を自分で曲げ伸ばしをしてもらうと、すごく楽に動かせるようになっていた。

●百会穴のずらし指圧で響き方が変わった 女性  26歳 

今までスポーツジムでマッサージにかかっていた女性患者さん。
最近、筆者の按摩にかかるようになった。
肩凝りで右肩井穴に指圧をすると左下腿の胆経・足臨泣穴あたりに響き、足三里穴を指圧すると顔が温かく感じるというように、経絡的響きが敏感な患者さんである。
スポーツマッサージは気持ちよくて長くかかっていたが、このような感覚は初めてだという。
治療の最後に背臥位で百会穴に重ね母指で持続圧すると、目に響いたあと鼻からのどに響いた。
試しに百会穴に持続圧しながら前方(前頂穴側)にずらしてみた。
すると先ほど、のどまで響いていたのが、さらにみずおちから臍を通って下腹部まで響いた。
次に百会穴持続圧を後方(後頂穴側)にずらすと、後頸部から背骨に向かってかすかに感じるという。
これはおもしろいと思って、さらに左側にずらしてみたら、左の耳から下肢の胆経に感じた。
右側にずらすと、右の鼻から右下肢の胆経に感じた。
百会穴は垂直に指圧する方法と、前方・後方、左側・右側にずらして指圧する方法のあることがわかった。

●左湧泉穴の湿疹は、塩辛い物の食べ過ぎで腎が弱って起こった 女性 68歳

最近、肩凝りで按摩にかかるようになった患者さん。
側臥位で肩を揉んで腹臥位になってもらったとき、ふと、足の裏を見ると左湧泉穴に小さな湿疹が5~6個、1円玉くらいの大きさでできている。
患者さんに「足の裏に湿疹ができていますよ」というと「そうなの、昨夜、寝ていて急に痒くなったので、蚊にさされたのだと思います」と言う。
「そうでしょうか、このツボは腎に関係の深いツボなのですが、何か塩辛い物を食べなかったですか」と聞くと、「主人が塩辛い物が好きでしたが4カ月前に亡くなってから食べていなかったのですが、私も好きなので、最近、いろいろ食べています」と言う。
いつもは右の志室穴に硬結・圧痛があるのだが、今日は左の志室穴に圧痛があった。このツボに母指持続圧を十分に行った。
2週間後にかかったとき聞いたら、塩辛いものを食べなかったので、次の日には赤味と痒みがなくなったと言う。

腎の弱い人が花粉症で耳が痒くなり、交信穴の指圧で軽減した 女性 40

月に1回程度、肩凝りで按摩にかかる患者さんである。
足が冷え性で、たまにむくむ。
例年、花粉症は軽い方だが、今年の春はひどくて、くしゃみ・鼻水が出た。今まで起こらなかった耳まで痒くなった。
下肢の腎経の圧痛を調べると、耳に関係の深い原穴の太谿穴よりも交信穴に圧痛が強く現われていた。
このツボを強く母指持続圧すると、最初、耳の中が圧迫されるような感じがして、その後、耳の痒みが軽減した。
腎を強化して耳の痒みを軽減する方法として、自分で交信穴を指圧することと、毎日、お風呂に入ることを勧めた。

● 外大腸兪穴を指圧したら示指と肩に響いた  女性 51歳

右手に物を持って腕を伸ばしたとき、座り込んでしまうほど肩に痛みが出ることがあるという。右腕を前に上げさせて床側に圧迫すると、肩の痛みの部位は大腸経・肩髃穴であった。大腸経の痛みなので「便秘をしていませんか」と聞くと「ずっと便秘です」とのこと。
右上側臥位で腹部の右天枢穴を圧迫すると硬結と圧迫不快感があり、腰部の大腸兪穴を指圧すると硬結・圧痛があった。試しに内大腸兪穴と外大腸兪穴を指圧すると、外大腸兪穴に硬結・圧痛が強くあった。
外大腸兪穴に母指持続圧を行うと、最初、右示指に響いた。
さらに持続圧を続けると肩関節部の肩髃穴に、普段、痛くなるときと同じような響き的な感覚が起こった。
約1分間ずつ3回、母指持続圧すると肩髃穴の響き的な痛みがスーッと軽くなり、右天枢穴を圧迫すると硬結がやわらいで圧迫不快感が軽減した。
坐ってもらい腕を前に上げさせててもらって床側に圧迫すると、治療前に行ったときの痛みに対して半分以下の痛みになっていた。


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