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〒107-0062 東京都港区南青山2-25-10 エスト南青山2階

第246回 経絡按摩・関節運動法講習会

・日時平成26年07月13日(日曜日)午前10から午後5時
・場所 東京都千代田区連合会館501号室

内容
(午前10時から12時)
●指導員 田中 勝 佐嶋 健司 山口 京士 受付係 高杉 美鈴(左写真)
●指導員 矢野 啓介(右写真)


1.鍼灸実技練習(午前10時~12時)

腰痛の鍼・温灸治療
腰痛は大腸兪穴と関元兪穴を中心にして、母指の指先を使って細かく指圧して関元兪、内関元兪、大腸兪、内大腸兪、外大腸兪の5穴を調べることが重要である。
これらのツボの内、最も硬結・圧痛のあるツボを1穴、腰痛穴と判断して治療を行う。

1.診断(運動誘発痛と問診)
(1) 立位
・体幹の前屈・後屈・側屈を行わせて腰部の関節可動域を調べ、疼痛の発生部位を聞く。
  前屈して指先と床との距離を調べる。

(2)側臥位
①治療師が股関節の屈曲伸展他動運動を行い、股関節の関節可動域と疼痛発生部位を調べる。
②腰部の捻転・逆捻転他動運動を行って、疼痛の発生とその部位を調べる。

(3) 問診:腰痛の原因を聞く。
①労働・スポーツ・姿勢
過激なスポーツや労働、不自然な姿勢を長時間行って発症したかを聞く。
②腹部内臓疾患
 特別に労働などによる疲労がなければ、腹部内臓の弱りを予想する。
・排尿・排便の不調があれば腎の弱り。
募穴:京門の冷えや、臍の横の肓兪の圧迫不快感を調べる。
・便秘・下痢があれば大腸下部の弱りを予想して大腸募穴・天枢穴、あるいは脾経・左府舎穴の硬結を調べる。
便秘・下痢の反応は仙骨部の下髎穴あるいは会陽穴に圧痛が現れていることが多く、治療穴となる。
・腰痛が起こったとき、転んで腰を強く打撲して骨折がないか、他、重大な病気がないことを鑑別して治療に入る。

2.治療(腰痛の強い側を上に側臥位になる)
・診断按摩と刺鍼
・運動や労働による軽い腰痛では立位のままで、痛みの発生する姿勢に腰を曲げて、疼痛部位に刺鍼する(立位では0番鍼或いは1番鍼を使用する)。
〔診断按摩〕
①痛部位に診断按摩
・母指の指先を使って強く指圧・揉捏する。
◎主な腰痛穴
・関元兪
・内関元兪
・大腸兪
・内大腸兪
・外大腸兪

②背部・腰部・仙骨部に診断按摩(指圧・揉捏)
◎主な反応穴
・腎兪・志室、三焦兪、胃兪・脾兪、肝兪
③下腿の膀胱経、腎経、胃経を中心に診断按摩を行って、腰痛に関係して反応(硬結・圧痛・冷感)が現れているツボを調べる。
(膝関節伸展位、股関節屈曲位で下腿に診断按摩を行うと硬結・圧痛穴を見つけやすい)
・委中、飛陽
・上巨虚、下巨虚など
・下腿の反応穴を指圧して、腰部の痛みが軽減することを確かめる。
・腹部・募穴などの圧迫不快感が軽減することを確かめる。

〔治療・刺鍼〕
①下腿の反応穴(委中穴など)に刺鍼し、運鍼(回旋・雀啄)して響きを得て抜鍼する。又は置鍼する。
③腰部・仙骨部の硬結・圧痛穴に刺鍼。
・腎兪に刺鍼
③腰部の自覚痛のツボ、運動誘発痛のツボに刺鍼し、運鍼して響きを得て置鍼する。さらに温灸を行う。
・腰痛穴(内関元兪)に刺鍼
④股関節に屈曲伸展他動運動を行って痛みが発生した場合、その肢位を少し緩めた状態に維持して、痛みの発生したツボに刺鍼し、運鍼して響きを得る。
⑤腰部捻転・逆捻転運動を行って、痛みの発生したツボに刺鍼し、運鍼して響きを得る。
⑥側臥位で患者さんに蹴る動作、膝を胸に引きつける動作を行ってもらい、それに治療師が抵抗を加えて腰部に痛みが発生しなければ、ほとんど改善した状態である。
・反対側の腰部にも痛みがあれば、反対の側臥位になって、①から⑧までを同様に行う。
⑦立位で体幹の前屈・後屈・側屈・回旋および靴下を履く姿勢などを行わせて腰部にまだ痛みが発生する場合、椅子などを支えにして、その姿勢を少し緩めた状態を保ってもらい誘発痛の部位に刺鍼し、響きを得て抜鍼する。
・靴下を履く姿勢。
⑧最後、残っている疼痛部位に円内鍼を貼る。


3.治療効果の確認
①背臥位
・腹部・募穴の圧迫不快感や冷えが改善していることを確かめる。
④立位
・体幹の前屈・後屈・側屈・回旋および靴下を履く姿勢、その他腰部に痛みの出る姿勢を取ってもらい、痛みが消失して腰部の可動域が改善されているのを確認して治療を終わる。


■機関誌・経絡按摩128号の実技説明(午後1時から5時)

①経絡按摩:鼠蹊部の痛みを軽減できる経絡按摩
鼠蹊部の大腿動脈部の痛みは、脾経の弱りであることが多い。
腹部の脾経募穴・章門穴や中脘の外側部・梁門穴などに硬結や圧迫不快感があって、患者さんも甘い物を過食していると脾の弱りが予想される。下腿・脾経に診断按摩を行うと地機穴に硬結・圧痛の出ていることが多い。
地機穴と背部の脾兪穴・意舎穴の指圧・揉捏で鼠蹊部の痛みが軽減する。

②按摩治療臨床例:クリニックで不妊治療をしている女性患者さん。百会穴の前ずらし圧をすると下腹部に響いて、後ろずらし圧をすると仙骨部に響いた。

③関節運動法:鼠蹊部の痛みを軽減できる関節は、脾の弱りから起こっている場合、脾兪穴の位置する胸椎11/12椎間関節の逆捻転である。
④関節運動法臨床例:めまいに対して、第1頸椎横棘突起の前方変位を矯正すると軽減することができた。
⑤関節運動法と経絡の関係
脾の募穴・章門穴と鼠径部・大腿動脈部・衝門穴の圧迫不快感を軽減できる関節は胸椎11/12椎間関節の逆捻転である。他。
胃の募穴・中脘穴と鼠蹊部・大腿動脈部・気衝穴の圧迫不快感を軽減できる関節は胸椎12/腰椎1椎間関節の逆捻転である。他。
⑥鍼温灸治療・臨床発表
鼠蹊部の痛みに対して意舎穴に置鍼して温灸をしたら、鼠蹊部にものすごい痛み的響きが起こった。我慢していたらのどがカラカラになり、その後、鼠蹊部の痛みが軽減した。
⑧アトピー性皮膚炎の鍼・温灸治療
顎の下のアトピーが、頸椎1/2椎間関節の回旋・前方滑り法で響いて痒みが軽減した。
⑨美容治療
ホウレイ線は頬の皮膚や筋肉が垂れ下がって起こっている。
ホウレイ線の上部は主に胃経の流注部位で、胃経の弱りは陰陽の関係で脾経の弱りと考えられる。脾関係のツボである地機穴や脾兪穴・意舎穴などを治療することで改善することができる。

⑩痩せる耳のハリ
耳の痩せるツボに円皮鍼を貼って、肝兪穴を徹底的に治療したら、豚肉の味が美味しくない味に変化した。
⑪ツボの研究
胃倉穴のさらに外側5分(約1㎝)のツボを指圧したら胃が動いた。
⑫臨床メモ
・心臓の弱い人ほどコーヒーが好きな傾向にある。
・唐辛子の嫌いな人はOリングテストで指の力が弱くなる。
⑬笑い話
・三陰交穴が蚊に刺されたら生理が楽だった。
・隣で治療している治療師が大きな音で叩打法をしたら、半分、眠っていた私の患者さんは終りかと思ってガバッと起きてしまった。
⑬新技術
・坐位 頸椎の側屈と滑り法。

■3.関節運動法

1)頸部の脊椎椎間関節の実技練習を行った

①上下棘突起間の左右圧迫による滑り法
例えば、頸椎6/7椎間関節では、第7頸椎棘突起を右から左に圧迫し、第6頸椎棘突起を左から右に圧迫すると、頸椎6/7椎間関節に滑りが起こり、関節機能異常が改善される。
咽喉部の症状を改善できる。
②後頭骨/環椎関節の離開法
・風池穴の離開法(目の症状を改善できる)
・内天柱穴の離開法(鼻の症状を改善できる)
・完骨穴の離開法(耳の症状を改善できる)
③頸部後方伸展と滑り法
例えば、頸椎6/7椎間関節の左側の関節機能異常に対して、第7頸椎の上関節突起を右手の中指で圧迫固定して後頭骨を床方向に下げて移動すると、第6頸椎の下関節突起が後方に滑り、滑り法が行われる。
④頸部側方屈曲と滑り法
例えば、頸部を右に側屈する場合で、頸椎6/7椎間関節の操作は、右手の四指で右頸椎7番横突起部を圧迫固定し、左手の四指で左頸椎6番横突起部を右に圧迫しながら頸部を右に側屈させる。
⑤頸部の左右回旋(顔を左右に向ける動作)と胸椎1/頸椎7番の滑り法の組み合わせ(坐位 治療師は患者さんの後ろ側に位置する)
例えば、顔を右に向けると、痛みなどが起こって向きにくいという場合、治療師の右手の母指を胸椎1番棘突起の左側にあてて固定する。
治療師の左手の母指を頸椎7番棘突起の右側にあてる。

患者さんに、ゆっくり顔を右に向けて下さいと指示して、頸椎7番棘突起を左に圧迫する。
⑥円背の矯正:頸部の前屈・後屈と胸部・背部の圧迫による胸椎滑り法 (坐位 治療師は患者さんの横に位置する)
背側の手の手根部を胸椎5番あたりにあてて圧迫固定する。胸側の手の手根部を胸骨にあてる。患者さんにゆっくり頸を後ろに反って下さいと指示して、胸側の手で胸骨を背側かつ頭側に圧迫する。

2)腰痛の関節運動法

・右腰椎5/仙骨椎間関節(関元兪穴)機能異常の腰痛として説明する。
1)仙腸関節機能異常の治療
a)診断
①立位
・体幹を前屈して腰部の関節可動域制限と疼痛の発生部位を調べ、症状があれば仙骨の前屈機能異常を予想する。
・体幹を後屈して症状があれば、後屈機能異常を予想する。
・体幹を側屈して、曲げた側に症状が起これば、仙骨の下方滑り機能異常を予想する。 
・反対に伸ばした側に症状が起これば、仙骨の上方滑り機能障害を予想する。
②背臥位
・坐骨神経伸展法
 この検査を行って股関節の前屈可動域制限や疼痛が発生すれば、前屈機能障害を予想する。
・股関節の屈曲・内転・内旋・屈曲
 この検査を行って関節可動域制限や疼痛が発生すれば、前屈機能障害、後上部離開・後下部離開の機能障害を予想する。
・股関節の屈曲・外転・外旋・伸展
 この検査を行って関節可動域制限や疼痛が発生すれば、前屈機能障害、前上部離開・前下部離開機能異常を予想する。
・腹部の圧迫不快感を調べる。
 腰痛と同じ側の腹部に硬結・圧痛がある。
  例.右肓兪(臍の横約1㎝)に硬結・圧迫不快感がある。
③側臥位
・治療師が股関節の屈曲他動運動を行って疼痛があれば、仙骨の前屈機能異常を予想する。
・同様に伸展他動運動を行って疼痛があれば、仙骨の後屈機能異常を予想する。
・立位での検査、背臥位、側臥位での検査から仙腸関節の機能異常を予想し、さらに仙腸関節の主要な5つの手技を行いながら患者さんの手で腹部(天枢)を圧迫して、圧迫不快感を軽減できる手技を治療手技として選択する。
・同時に仙骨部に気持ちよく感じる手技を選択する。

・仙腸関節の主要な5つの手技
①上部離開法
②前屈上方滑り法 
③前屈下方滑り法 
④後屈上方滑り法
⑤後屈下方滑り法
・股関節の屈曲・内転・内旋・屈曲(ファダーフ)で症状がでた場合、次の手技を行う。
⑥後上部離開法
⑦後下部離開法
・股関節の屈曲・外転・外旋・伸展(ファベル)で症状がでた場合、次の手技を行う。
⑧前上部離開法
⑨前下部離開法

b)治療(患側上の側臥位)
①検査で選択した手技を、仙骨部の気持ち良さが感じられなくなるまで行う。
②腹部の圧迫不快感が半減するまで行う。
③股関節屈曲他動運動を行って疼痛が発生する場合、前屈上方滑り法と前屈下方滑り法を行って、気持ちよさの強い方を、気持ちよさが感じなくなるまで行う。
さらに、治療師が治療手技を行いながら、患者さんに膝に手をあててもらい、膝を腹部側に屈曲してもらう。
④股関節伸展他動運動を行って疼痛が発生する場合、後屈上方滑り法と後屈下方滑り法を行って、気持ちよさの強い方を、気持ちよさが感じなくなるまで行う。
さらに、膝関節と股関節を伸展位にしておいて、治療師が治療手技を行いながら、患者さんに股関節伸展に力を入れてもらう。
   
2)脊椎椎間関節機能異常の治療
a)診断(側臥位)
①腰痛の自覚痛のある部位(例.右関元兪)の脊椎椎間関節(腰椎5/仙骨椎間関節)は機能異常を起こしている。
②腰部・背部の筋を触診して調べ、硬結と圧痛のある部位の椎間関節は機能異常を起こしている。
例.右胃兪穴に硬結・圧痛があり、胸椎12/腰椎1椎間関節に機能異常がある。
③棘突起間を触診して調べ、詰まりと圧痛のある椎間関節は機能異常を起こしている。
・腰椎2/3椎間関節の棘突起間に詰まりと圧痛がある。
・胸椎12/腰椎1椎間関節の棘突起間に詰まりと圧痛がある。
④実際には、腰椎5番から上方に向かって一つ一つ逆捻転を行い、響き的感覚の強い椎間関節に手技を行う。

b)治療(患側上の側臥位)
①関節機能異常があると判断した椎間関節に4つの関節運動法を行う。
1)逆滑り法(逆AKA)
関節機能異常のある棘突起間の上位の棘突起を天井側に、下位の棘突起を床側に圧迫する。
・第2腰椎の棘突起を中指で床側からタッチして天井側に、第3腰椎の棘突起を母指で天井側からタッチして床側に圧迫する。
・実際には逆滑り法(逆AKA)と順滑り法(順AKA)を行ったあと、逆捻転と順捻転を行う。
2)逆捻転
腸骨を斜め後・下方に、腰椎(第2腰椎の下関節突起)を斜め前・上方に圧迫して腰椎椎間関節に滑り法を行う。
3)順滑り法(順AKA)
関節機能異常のある棘突起間の上位の棘突起を床側に、下位の棘突起を天井側に圧迫する。
・第2腰椎の棘突起を母指で天井側からタッチして床側に、第3腰椎の棘突起を中指で床側からタッチして天井側に圧迫する。
4)順捻転
肩部を背側に圧迫固定し、中指を第3腰椎棘突起にあてて、腸骨を腹側に圧迫して腰椎椎間関節に滑り法を行う。
   
①股関節に屈曲伸展他動運動を行って腰部に疼痛が起これば、その部位の腰椎椎間関節にもう一度手技を行う。

b)治療効果の確認
①側臥位で、股関節の屈曲・伸展他動運動を行って腰痛がでないことを確かめる。
②背臥位で、SLR、ファダーフ、ファベル、腹部の圧迫不快感の軽減を確かめる。
③立位で、体幹の前屈・後屈を行って腰痛の改善を確認する。

■4.按摩実技練習

⑴)背腰部・仙骨部・臀部の按摩の実技練習
二人一組になり、按摩を受ける人は腹臥位になって行った。
背腰部の按摩
治療師の構えとして、患者さんをまたぐ構えとまたがない構えがある。
左右の膀胱経1行線のツボの膈兪穴から足方に向かって関元兪穴まで母指圧を行う。
膀胱経1行線のツボは脊中起立筋内側部である。
指圧は母指の関節部(腹)でなく、母指先をツボにあてて行う。
筋に硬結があるツボの部位は、脊椎椎間関節も硬くなっている。
1回ないし2回、背腰部全体を母指圧して、最も硬結・圧痛のあるツボを調べる。
次に膀胱経1行線のツボに、2のリズムで母指横揉捏を行う。
母指横揉捏で最も硬結・圧痛のあるツボを調べ、先に行った母指圧のツボと一致するか判断する。
治療師が最も硬結・圧痛のあるツボを母指圧して患者さんに「このツボが1番圧痛を感じますか?」と聞いて、その通りであれば治療穴と判断して母指持続圧を行う。
次に左右の膀胱経2行線の膈関穴から外大腸兪穴まで母指圧を行う。
膀胱経2行線のツボは、脊中起立筋外側部である。
母指の関節部(腹)でなく、母指先をツボにあてて行うと、筋の外側にさらに細いスジ状の硬結が検出される。
指圧して患者さんが、強く圧痛を感じる部位である。
1行線と同様に最も硬結・圧痛のあるツボを見つけ、患者さんに聞いて治療穴とする。
背腰部膀胱経1行線のツボは、1行線同士のツボ(例.三焦兪と厥陰兪など)、2行線のツボは2行線同士のツボ(例.肓門と膏肓など)が関係深い。
仙骨部の按摩
仙骨部は下腹部内臓の弱りを治療できる重要なツボがある。
上髎穴、次髎穴、中髎穴、下髎穴、小腸兪穴、膀胱兪穴、中膂兪穴、白環兪穴に指先で母指圧を行う。
さらに母指横揉捏と母指縦揉捏を行って最も硬結・圧痛のあるツボを見つけ、そのツボが最も圧痛を感じるかを患者さんに聞いて治療穴とする。

臀部の按摩
手を握って基節骨の面を臀部に当てて、当会独特の「ゲンコツ圧迫とゲンコツ揉捏」を行う。
大臀筋は大きな筋肉なので、手を握った基節骨の面の大きな部位で圧迫と揉捏を行うと大変気持ちよく感じて効果的である。
また治療師は背腰部の母指圧・母指揉捏を行って、母指が背屈位で疲れている。指を掌屈位で握った状態で手技を行うと大変楽にできる。

■5.腰痛の按摩治療

腰痛は、労働過剰、内臓の弱り、ストレス、気候条件(寒冷や湿度他)など、あらゆることが発症の原因となる。
従って、腰痛の一番の硬結・圧痛穴を調べることと、背腰部・仙骨部の膀胱経一行線・二行線に診断按摩を行って内臓の弱りを現している一番の硬結・圧痛穴を調べて、気持ち良く響くという圧で充分に治療を行うと腰痛を改善することができる。 腰痛の治療穴として、経験的に次のツボが重要である。

腰痛5点穴
・関元兪あるいは内関元兪(関元兪の内側)
・大腸兪あるいは内大腸兪(大腸兪の内側)、外大腸兪(大腸兪の外側)

さらに下肢で腰痛に関係して硬結・圧痛の現れているツボ、および内臓の弱りに関係して硬結・圧痛の現れているツボを調べる。
・委中
・飛陽
・上巨虚(大腸兪の硬結・圧痛と関係がある)
・下巨虚(関元兪の硬結・圧痛と関係がある)
例.今回の腰痛は右内関元兪、その原因的内臓の弱りは腎兪として説明する。
1.診断
⑴立位
・体幹の前屈、後屈、側屈を行ってもらい、腰部の関節可動域と疼痛部位を調べる。(前屈すると右の内関元兪に痛みが出る)
⑵側臥位
・自覚的腰痛部位あるいは立位での運動誘発痛の疼痛部位に診断按摩を行って、腰痛の一番の硬結・圧痛穴を調べる。
・右内関元兪の重ね母指圧
・腰部・背部の膀胱経一行線・二行線に診断按摩を行って、腰痛の原因となっている内臓の弱りを現している硬結・圧痛穴を調べる。
・右腎兪の重ね母指圧 
・仙骨部に診断按摩を行う。
・腰部・背部の硬結・圧痛穴から判断して、経絡的に関係する下肢の経絡(腎経、膀胱経、肝経、胆経、脾経、胃経)に診断按摩を行って、最も硬結・圧痛の現れているツボを調べる。
・膝関節を伸展して委中の母指圧

⑶側臥位あるいは背臥位
①腹部の診断按摩
腰痛のある側と同じ側の下腹部に、硬結や圧迫不快感のあることが多い。
背腰部の硬結・圧痛穴と下肢の硬結・圧痛穴から経絡的に判断して、腹部の募穴に診断按摩を行って硬結・圧迫不快感の現れているツボを調べる。
・右肓門(臍の横5分)を圧迫して圧迫不快感がある。
・右京門を圧迫して圧迫不快感がある。

2治療
(側臥位)
①下肢の按摩
腰痛と腹部の圧迫不快感の両方に関係している、下肢の1番の硬結・圧痛穴に母指持続圧を行う。
 膀胱経・委中、腎経・築賓、胃経・上巨虚などに硬結・圧痛の現れることが多い。
膝関節伸展位、股関節屈曲位で腰痛を起こした状態で下肢の硬結・圧痛穴を指圧すると腰痛が軽減することを確かめて治療を行う。
・例.膝を伸展して下巨虚の母指持続圧

② 背腰部の按摩
腰痛の原因となって内臓の弱りを現している背腰部のツボに母指持続圧を行う。
・例.腎兪に硬結・圧痛があり、このツボを指圧すると腰痛の内関元兪穴に響いた。
③腰痛のツボに母指持続圧を行う。
腰痛のツボに快圧で母指持続圧を行う。

・例.右内関元兪の母指持続圧
今までの治療は、第1段階として腰部を最も楽な状態に保って治療を行った。
次は、腰痛はだいぶよくなった状態なので、あえて腰痛が起こる姿勢にして治療を行う。
④股関節を屈曲して疼痛が発生したツボに按摩を行う。
発生した痛みのツボは、腰痛のツボと同じであることもあるし、別の部位に発生することもある。
・例.股関節を屈曲すると右膀胱兪に疼痛が発生したので、母指圧を行った。
⑤股関節を伸展して疼痛が発生したツボに按摩を行う。

⑥腰部の逆捻転を行って疼痛が発生したツボに按摩を行う。

      ⑦腰部の順捻転を行って疼痛が発生したツボに按摩を行う。

     ⑦蹴る動作に治療師が抵抗して疼痛が発生したツボに按摩を行う。

⑧膝を引きつける動作に治療師が抵抗して、疼痛が発生したツボに按摩を行う。

⑨腰痛に関係して現れている、下肢の一番の硬結・圧痛穴を母指持続圧しながら、股関節の屈曲・伸展他動運動を行う。
・例.胃経・下巨虚を指圧しながら、股関節の屈曲・伸展他動運動を行う。
⑩腰痛のツボを母指圧したまま、股関節屈曲・伸展自動運動を行ってもらう。
・右内関元兪を重ね母指圧しながら,股関節屈曲・伸展自動運動。

⑶坐位
①腰部母指圧と後方伸展運動
患者さんに前かがみになってもらい、治療師は腰痛のツボに母指をあてて圧迫固定する。
患者さんに上体を後ろに反らしてもらう。
治療師の母指で圧迫固定した椎骨は固定されて、患者さんが上体を後ろに反らすことで、その上位の椎骨が後方に滑る。
腰椎椎間関節の動きが滑らかになって腰痛が改善される。

② 腰部左右捻転の他動運動
捻転を加える椎間関節部に手根をあてる。
他方の手で患者さんの上腕をつかむ。
腰椎を上方かつ腹部側に圧迫しながら、上腕を引いて上体を捻転する。

③腰部左右捻転と母指圧
患者さんに腰部の捻転自動運動を行ってもらい、痛みが出た状態で捻転の姿勢を維持し、疼痛部位に按摩を行う。

⑷立位
①腰部を前屈あるいは後屈して痛みが出た部位に、その姿勢を保ったまま母指持続圧を行う。
②腰痛に関係して現れている下腿の疼痛穴を母指圧しながら、患者さんに腰部の前屈・後屈を行ってもらう。
・例.右下巨虚(あるいは右委中)を母指圧しながら、腰部の前屈を行ってもらう。

治療効果の確認
⑴側臥位
①腰痛部位を指圧して、痛みがほとんど解消していることを確かめる。
②股関節屈曲・伸展他動運動を行って、腰痛が改善していることを確かめる。
③腰部の逆捻転・順捻転を行って、腰痛が改善していることを確かめる。
③治療の前に起き上がることができなかったほどのひどい腰痛の場合は、蹴る動作や引きつける動作に治療師が抵抗して、痛みが軽減して力強くできることを確かめる。

⑵背臥位
①症状のあった腹部の肓兪、その他腰痛に関係して現れていた腹部の硬結・圧迫不快感のあるツボを圧迫して、圧迫不快感や冷えが軽減していることを確かめる。

⑶立位
①治療の前に行った腰痛の起る動作をしてもらい、腰痛が改善していることを確かめる。
②片足で立って、靴下を履く動作をして腰痛が出ないことを確かめる。

◎テキスト「図解 経絡按摩」参照
◎テキスト「図解 関節運動法」参照
◎機関紙「経絡按摩」発行
◎医道の日本社発行「よくある症状への手技療法」DVD参照


出版物
◎DVD「よくある症状への手技療法」(医道の日本社発行)
◎機関誌:経絡按摩(田中鍼灸指圧治療院発行)

・連絡先
 東京都港区南青山2-25-10-2F
 田中鍼灸指圧治療院 経絡按摩研究会
 電話・FAX:03-3475-4632
 メールアドレス:hibiki@s2.dion.ne.jp

田中鍼灸指圧治療院ビルダークリニック

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東京都港区南青山2-25-10 
エスト南青山2階
TEL 03-3475-4631
FAX 03-3475-4632
最寄り駅: 銀座線外苑前駅
      出口1b
竹林の一方通行路地を入り、60m程進む。
左側5軒目3階建ての青いビルの2階


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